国家試験情報
“歯科医師国家試験は
難化している?”
国試の変遷、出題数が増えている問題や
出題傾向などを知り、
国試対策として何が
必要か、国試本番まで計画を立てて、
確実に
効率よく勉強を進めていきましょう。
過去8年間の
国家試験結果
111回 | 112回 | 113回 | 114回 | 115回 | 116回 | 117回 | 118回 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
出願者数 | 3721名 | 3723名 | 3798名 | 3852名 | 3667名 | 3669名 | 3568名 | 3431名 |
受験者数 | 3159名 | 3232名 | 3211名 | 3284名 | 3198名 | 3157名 | 3117名 | 3039名 |
合格者数 | 2039名 | 2059名 | 2107名 | 2123名 | 1969名 | 2006名 | 2060名 | 2136名 |
合格率 | 64.5% | 63.7% | 65.6% | 64.6% | 61.6% | 63.5% | 66.1% | 70.3% |
- 受験者数が減少傾向にある。一方で合格者数は2000人前後でほぼ一定している。
- 118回は合格率が70%を超えた。
新卒の国家試験結果
111回 | 112回 | 113回 | 114回 | 115回 | 116回 | 117回 | 118回 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
出願者数 | 2469名 | 2452名 | 2540名 | 2615名 | 2413名 | 2383名 | 2358名 | 2310名 |
未受験者率 | 21.7% | 18.4% | 21.5% | 19.6% | 17.2% | 19.5% | 16.8% | 14.6% |
受験者数 | 1932名 | 2000名 | 1995名 | 2103名 | 1999名 | 1919名 | 1962名 | 1973名 |
合格者数 | 1505名 | 1587名 | 1583名 | 1687名 | 1542名 | 1483名 | 1600名 | 1657名 |
合格率 | 77.9% | 79.4% | 79.3% | 80.2% | 77.1% | 77.3% | 81.5% | 84.0% |
- 合格率はゆるやかだが上昇傾向にある。118回は全体的に高めだった。
既卒の国家試験結果
111回 | 112回 | 113回 | 114回 | 115回 | 116回 | 117回 | 118回 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
出願者数 | 1252名 | 1271名 | 1258名 | 1237名 | 1254名 | 1286名 | 1210名 | 1121名 |
受験者数 | 1227名 | 1232名 | 1216名 | 1181名 | 1199名 | 1238名 | 1155名 | 1066名 |
合格者数 | 534名 | 472名 | 524名 | 436名 | 427名 | 523名 | 460名 | 479名 |
合格率 | 43.5% | 38.3% | 43.1% | 36.9% | 35.6% | 42.3% | 39.8% | 44.9% |
- 合格率はゆるやかだが下降傾向にある。118回は全体的に高めだった。
合格基準の変遷
出題基準は4年ごとに変わります。
合格基準も原則4年ごとに変化します。
99回〜102回 | 103回〜106回 | 107回〜110回 | 111回〜115回 | 116回〜 |
---|---|---|---|---|
①一般問題 ②臨床実地問題 |
①領域A ②領域B ③領域C |
①領域A ②領域B ③領域C |
①領域A ②領域B ③領域C |
①領域A ②領域B |
③必修問題 | ④必修問題 | ④必修問題 | ④必修問題 | ③必修問題 |
④禁忌肢選択数 | ⑤禁忌肢選択数 | ⑤禁忌肢選択数 | ||
⑤基準点以下の領域数 | ⑥必要最低点 (110回では廃止) |
- 116回より、領域Bと領域Cが統合され、領域Bとなった
- 103回から一般問題と臨床実地問題による採点に代わって、領域A、領域B、領域Cの3領域による
相対評価が導入された。 - 一般問題と臨床実地問題を包括し、出題基準で定める内容が近接した領域での採点となり、
バランスのよい知識が重視されるようになった。 - 111回国家試験から禁忌肢選択数が合格基準より外された。
103回国家試験以降の
合格基準
領域A | 領域B | 領域C | 必修 | 禁忌肢 | その他の基準 | 厚生労働省発表資料 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
103回 | 69 点 /129 点 (総論・各論 I) |
98 点 /173 点 (各論 II・III) |
116 点 /200 点 (各論 IV・V) |
56 点 /70点 * | 2問以下 | PDFはこちら | |
104回 | 75 点 /130 点 (総論・各論 I) |
104 点 /171 点 (各論 II・III) |
101 点 /195 点 (各論 IV・V) |
56 点 /70点 * | 2問以下 | PDFはこちら | |
105回 | 82 点 /124 点 (総論・各論 I) |
130 点 /176 点 (各論 II・III) |
128 点 /200 点 (各論 IV・V) |
56 点 /70点 * | 2問以下 | PDFはこちら | |
106回 | 66 点 /127 点 (総論・各論 I) |
129 点 /175 点 (各論 II・III) |
119 点 /199 点 (各論 IV・V) |
56 点 /70 点 * | 2問以下 | PDFはこちら | |
107回 | 67 点 /106 点 (総論) |
125 点 /185 点 (各論 I〜III) |
125 点 /205 点 (各論 IV〜VI) |
56 点 /68 点 * | 2問以下 | 0グループ以下 | PDFはこちら |
108回 | 68 点 /109 点 (総論) |
125 点 /185 点 (各論 I〜III) |
139 点 /205 点 (各論 IV〜VI) |
55 点 /68 点 * | 2問以下 | 0領域以下 | PDFはこちら |
109回 | 65 点 /109 点 (総論) |
128 点 /184 点 (各論 I〜III) |
122 点 /196 点 (各論 IV〜VI) |
56 点 /70 点 * | 2問以下 | 0領域以下 | PDFはこちら |
110回 | 70 点 /109 点 (総論) |
132 点 /180 点 (各論 I〜III) |
136 点 /209 点 (各論 IV〜VI) |
56 点 /70 点 * | 2問以下 | PDFはこちら | |
111回 | 59 点 /99 点 (総論) |
125 点 /169 点 (各論 I・II) |
131 点 /205 点 (各論 III〜V) |
64 点 /80 点 * | PDFはこちら | ||
112回 | 58 点 /98 点 (総論) |
116 点 /171 点 (各論 I・II) |
126 点 /205 点 (各論 III〜V) |
64 点 /79 点 * | PDFはこちら | ||
113回 | 65 点 /98 点 (総論) |
122 点 /167 点 (各論 I・II) |
138 点 /210 点 (各論 III〜V) |
64 点 /79 点 * | PDFはこちら | ||
114回 | 53 点 /100 点 (総論) |
107 点 /167 点 (各論 I・II) |
129 点 /206 点 (各論 III〜V) |
63 点 /78 点 * | PDFはこちら | ||
115回 | 59 点 /99 点 (総論) |
106 点 /162 点 (各論 I・II) |
131 点 /209 点 (各論 III〜V) |
64 点 /80 点 * | PDFはこちら | ||
116回 | 63 点 /96 点 (総論) |
257点 /373 点 (各論) |
ー | 64 点 /80 点 * | PDFはこちら | ||
117回 | 60 点 /94 点 (総論) |
254 点 /379 点 (各論) |
ー | 64 点 /80 点 * | PDFはこちら | ||
118回 | 58 点 /97 点 (総論) |
236 点 /363 点 (各論) |
ー | 64 点 /80 点 * | PDFはこちら |
*但し、必修問題の一部を採点から除外された受験生にあっては、必修問題の得点について総点数の80%以上とする。
- 合格ラインは領域Bが比較的高めに推移している。
- 近年は領域AとBの差が少なくなり、バランスのよさが必要になっている。
国家試験の傾向を
みてみよう!
-
Q1
法律や制度の問題は、実際の医療現場と法律を結びつけさせるような傾向に!
医療法に基づいて患者への説明のために作成されるのはどれか。1つ選べ。
- a処方箋
- b診断書
- c診療録
- d診療報酬請求書
- e入院診療計画書
- 正答
-
- E入院診療計画書
-
Q2
コンポジットレジン修復に関する問題は毎年、複数出題され、幅広い知識が必要である
32歳の女性。下顎右側第二大臼歯の冷水痛を主訴として来院した。最近になってしみるようになったという。検査の結果、辺縁性二次齲蝕と診断し、1ステップシステムを用いたコンポジットレジン修復を行うこととした。初診時の口腔内写真(A)、歯面処理とボンディング処理過程の口腔内写真(B、C)及び修復操作終了後の口腔内写真(D)を別に示す。
Cの直後に行うのはどれか。1つ選べ。A
(ミラー像)
B
(ミラー像)
C
D
(ミラー像)
- a水洗
- b光照射
- cエアブロー
- dベベル付与
- eブロットドライ
- 正答
-
- Cエアブロー
-
Q3
歯内−歯周病変の問題は必ず出題される傾向がある
65歳の男性。下顎左側第一大臼歯の痛みを主訴として来院した。昨晩、強い痛みのため眠れなかったという。著しい打診痛があり、歯髄電気診に生活反応を示した。初診時の口腔内写真(A)とエックス線画像(B)を別に示す。歯周組織検査結果の一部を表に示す。
A
B
*:プロービング深さ(mm)
〇印:プロービング時の出血
**:Millerの判定基準まず行うのはどれか。1つ選べ。
- a抜髄
- b生活断髄
- c感染根管治療
- dヘミセクション
- eスケーリング・ルートプレーニング
- 正答
-
- A抜髄
-
Q4
補助的清掃器具はよく出題されており、用途や適応などをしっかりと把握しておこう
58歳の男性。下顎左側第一大臼歯部からの排膿を主訴として来院した。1年前から気付いていたがそのままにしていたという。トンネリング後の再評価時の口腔内写真(A)とエックス線画像(B)を別に示す。再評価時の歯周組織検査結果の一部を表に示す。
A
B
*:プロービング深さ(mm)
〇印:プロービング時の出血
**:LindheとNymanの分類(―は根分岐部病変がないことを示す)
***:Millerの判定基準セルフケアに使用するのに適切なのはどれか。2つ選べ。
- a洗口剤
- b歯ブラシ
- c口腔洗浄器
- d歯間ブラシ
- eラバーチップ
- 正答
-
- B歯ブラシ
- D歯間ブラシ
-
Q5
顎義歯は近年複数問出題される傾向があり、定番問題の仲間入り
再建手術を伴わない下顎区域切除術後に、下顎偏位が認められたことから口腔内装置を製作することとした。
下顎歯列を咬頭嵌合位で保持するのはどれか。1つ選べ。- a顎義歯
- b舌接触補助床
- cオブチュレータ
- dオクルーザルランプ
- eスタビリゼーションアプライアンス
- 正答
-
- Dオクルーザルランプ
-
Q6
ジルコニアなどメタルフリーの補綴装置の製作工程や治療手順は複数問出題される主役的な問題
60歳の女性。①┴①②3④ブリッジの審美不良を主訴として来院した。診察の結果、ジルコニアを用いたブリッジを製作することとした。CADによる補綴装置のデザイン時の画像(A)、治療過程の口腔内写真(B)及び最終補綴装置装着時の口腔内写真(C)を別に示す。
Bで確認すべきなのはどれか。3つ選べ。A
B
C
- a色調適合性
- b隣接接触関係
- cフレームの適合
- d鼓形空隙の清掃性
- eレイヤリング部の咬合接触
- 正答
-
- B隣接接触関係
- Cフレームの適合
- D鼓形空隙の清掃性
-
Q7
オーラルアプライアンスも複数問出題されるのも最近の傾向
65歳の女性。閉塞性睡眠時無呼吸症の診断のもと、呼吸器内科から口腔内装置製作を依頼されて来院した。初診時の口腔内写真(A)と装置装着時の口腔内写真(B)を別に示す。
本装置の製作過程で記録したのはどれか。2つ選べ。A
B
- a咬合高径
- b下顎運動路
- c咬頭嵌合位
- d切端咬合位
- e下顎最前方位
- 正答
-
- C咬頭嵌合位
- E下顎最前方位
-
Q8
インプラントでは補綴術式に関する問題の割合が多い
バーアタッチメントを用いた可撤性インプラント上部構造を製作することとした。口腔内写真を別に示す。
オープントレー法の印象操作を実施の順番に並べよ。
解答:①→②→③→④→⑤→印象体の撤去- aトレーの圧接
- bヒーリングアバットメントの除去
- c印象用コーピング同士のレジンでの連結
- d印象用コーピング固定用スクリューの除去
- eインプラント体への印象用コーピングの固定
- 正答
-
- B
- →
- E
- →
- C
- →
- A
- →
- D
-
Q9
一般歯科医でも遭遇し得る救急関連の出題が多くなった
75歳の男性。下顎右側第一大臼歯の自発痛を主訴として来院した。抜髄のためアドレナリン含有2%リドカイン塩酸塩で局所麻酔を行った直後に気分不快と胸痛を訴えた。意識レベルはJCSⅡ-10、呼吸数26/分で気道閉塞を認めない。このときの生体情報モニタ画面の写真を別に示す。
直ちに行うのはどれか。3つ選べ。- a酸素投与
- b救急車の要請
- c電気的除細動
- dアスピリンの投与
- e輪状甲状間膜穿刺
- 正答
-
- A酸素投与
- B救急車の要請
- Dアスピリンの投与
-
Q10
有病者歯科学では血液透析に関連した問題がよく出題される
75歳の男性。下顎左側臼歯部の疼痛を主訴として来院した。3か月前に自覚し、徐々に増悪してきたという。10年前に人工弁置換術を受けており、5年前から血液透析を受けているという。ワルファリンカリウムを服用している。診察の結果、下顎左側第一大臼歯の抜去を行うこととした。初診時の腕の写真(A)とエックス線画像(B)を別に示す。
適切な対応はどれか。2つ選べ。A
B
- aPT-INRの確認
- b透析翌日の抜歯
- c左上腕での血圧測定
- dワルファリンカリウムの休薬指示
- e抜歯後からのアモキシシリン水和物投与
- 正答
-
- APT-INRの確認
- B透析翌日の抜歯