第2回全国公開模擬試験
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第2回模試(116-2)について質問

116-2 B35

コンポジットレジン修復でのフロアブルコンポジットレジンの使用は、窩縁部亀裂の防止にはならないのですか?

コンポジットレジンの重合収縮応力によって、窩縁部のエナメル質に亀裂が生じ、白線として認められるのをホワイトマージンとよびます。
つまり、選択肢aにあります窩縁部亀裂はホワイトマージンのことと解釈していただいて問題ありません。

今回の問題では、窩底部にフロアブルコンポジットレジンを使用した目的が問われています。
口腔内写真より、いわゆるC2程度の齲蝕を認めますので、窩底部には象牙質が存在していると考えられます。

本症例の窩底部にエナメル質は存在しませんので、窩底部にフロアブルコンポジットレジンを用いても、ホワイトマージンの発生防止にはなりません。
エナメル質窩縁に加わる重合収縮応力のコントロールという意味では、少しずつ積層塡塞したり、1層目にハイフロータイプを用いるなどが有効ですが、本問の設問内容とは異なっています。
また、根本的には遊離エナメル質をコントロールする窩洞形成・窩縁処理ができていれば、ホワイトマージンは十分に予防できます。

本問では、窩底部にフロアブルコンポジットレジンを使用することで、この上に追加塡塞されるペーストタイプのコンポジットレジンの重合収縮応力を緩和する緩衝層としての作用を示すことから、コントラクションギャップの発生防止につながります。

116-2 C90

歯内療法の隔壁形成で、歯面処理はマトリックスバンド装着の前に行う必要があるのではないですか?

歯内療法で隔壁を形成する症例は、一般的に歯質の欠損が大きく、隔壁形成部の汚染源となる出血や歯肉溝滲出液のコントロールのために、歯肉切除や圧排糸挿入などが有効です。
その後、マトリックスバンドを設置するかどうかは症例によりけりであり、その際の歯面処理のタイミングについてもケースバイケースでの臨機応変な対応が必要となります。

歯内療法の隔壁形成におけるマトリックスバンド装着の目的は、主に大きく歯質欠損した歯に対して隔壁の外形を形成しやすくすることにあります。
また歯内療法における隔壁は、無菌的処置を継続するために通常は一時的に形成するものです。
マトリックスバンド使用の有無、接着操作の順序、タイミングについてはコンポジットレジン修復での隔壁法とは異なり、成書においても種々の手順が紹介されていることから、手順としての厳密性はありません。
本問は臨床実地問題ですので、整合性のある順序に選択肢を並べる必要があります。
歯面処理の前に2つの手順を配列しますので、そこにマトリックスバンド装着を当てはめた場合、歯面処理前に行うはずの根管口上部の封鎖が歯面処理後となってしまい、整合性が失われます。

本問の解答が歯内療法の隔壁形成におけるマトリックスバンドの使用、その順序などについて一意に限定しているものではないことにご注意いただければと思います。

116-2 D52

ブリッジでリップサポートを回復することはできるのでしょうか。

まず、リップサポートは「歯や人工歯が口腔内で口唇を支えていること」と定義づけられています。
これに加え、上顎前歯部歯槽部唇側の形態もリップサポートに関係します。
したがって、歯(主に上顎前歯)を喪失するとリップサポートが失われ、くぼんだ口元になりますし、さらに上顎前歯部の顎堤唇側が吸収していくと鼻の下付近までリップサポートが失われるということになります。
それに対し、有床義歯でリップサポートを回復する場合、咬合採得の際に上顎咬合床唇側の豊隆でリップサポートの程度を決定し、 決定したリップサポートに合わせて人工歯排列と義歯床唇側の研磨面形態(床翼形態)の付与を行います。
つまり、リップサポートを回復するのは人工歯と床翼ということになります。

同様に、ブリッジを装着した場合はブリッジ自体が口腔内で口唇を支えることになりますので、ブリッジでもある程度のリップサポートの回復が可能ということになります。
例えば、顎堤吸収が軽度で固定性ブリッジでも十分にリップサポートの回復が可能であれば固定性ブリッジで回復しますし、顎堤吸収が著しいなどの理由で固定性ブリッジでは十分なリップサポートの回復が期待できない場合は、 有床型ポンティックを用いた可撤性ブリッジや有床義歯によるリップサポートの回復を検討する、ということになります。